起業家・清水流美コラム(1)

 人・モノ・金・経験 すべて「ゼロ」で本当に起業ができるのか。



起業を考える人にとって、大きな心配ごとは「自分は『人・モノ・金』と言われる経営ソースを十分に持っていないかもしれない…」ということではないでしょうか。
私は、経営ソースは「人・モノ・金」に加えて「経験」の4点だと思っています。では、この4点セットを持っていなくても起業できるか?ということについてお話ししましょう。

私の答えはYES。
私自身、1999年24歳の起業時、十分に持っているとは到底言えませんでした。
何しろ、社会経験がほとんどありませんでしたから。

事業をするのに一番大切なのは「アイディアがあるか」ということだと思います。
アイディアがあれば、人がいない、モノがない、金がない、経験がない…という状況でも「このアイディアを実現するために、さぁどうしようか?」と考え続けることができます。

事業アイディアがしっかりしていれば、お金を集めることができます。つまり、モノを作ることができます。
魅力的な事業アイディアには人が集まってきます。つまり経験がなくても人の経験を借りることができます。

ただ一点、私の経験ですが、どのような事業をするか…によって、「人・モノ・金」がどの程度なくても実現・継続の可能性が変わってくると思っています。
私は、起業してからずっと、会社のお金が限りなくゼロに近づいたことはありません。
それはなぜかというと、仕入れの無い事業をしてきたからです。
仕入れがいらない場合、簡単に言えば一人でやっているのなら、自分だけ食べていければ何とかなります。
事業で儲けることができなければ、別に収入口を持っておけば良いのです。
ところが仕入れがある事業の場合はそうはいきません。自分ひとりが食べていけるより何倍ものお金が仕入れに必要になってくるからです。
そういう意味で、仕入れを必要としない事業を選んだのは、私にとって正解だったと思っています。

そしてもう一点、
「ビジョンを語れ」とは良く聞く言葉ですが、私は、これまでの経験で、
明日食べられるかどうか分からない状態で、ビジョンを語るのは相当難しい」と思っています。
ですから、ビジョンを語りたければ最低でも今後1年くらいは食べていけるストックを持っているか、もしくはその計画があるか…だと思います。
もちろん、人によって考えかたは様々ですが、10年後20年後のビジョンを気持ちよく語るためには、今日明日来月1年後くらいの見通しは欲しいと思います。

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