高津 和彦コラム(1)

■ 知名度ゼロでも、本は出せる!
  ――「著者」になる可能性は、誰にでもある。



本を出したい、と思っている人はたくさんいます。
でも、本気で「自分の本が出せる」と思っている人は、極めて少ない。
確かに、一昔前なら有名人や何かの権威でもない限り本が出せるなんてことは滅多になかったでしょう。しかし、今は違います。誰の前にも、可能性は広がっているのです。

嘘だと思うなら、大きな書店に行って、平積みされている本の著者名をざっと見て下さい。
誰もが知っている有名人の本ばかりではないことが、すぐにわかるでしょう。
ビジネス書やノウハウ本などは、知らない名前の方が多いのではないでしょうか?
昔と違って、今は「有名だから著者になれる」のではなく、「著者になったから結果的に有名になる」パターンが非常に多いのです。 後ろの著者紹介を読んでみても、すごい経歴で華々しい活躍をしてきた人はほんの一握り。たいていは、自分の得意な・または興味のある「何か」に熱心に打ち込んできた一般人です。

あなたは、誰かに訊ねられて「それは、こうしたらいいよ」とアドバイスしたことがありませんか?
ある、と答えた人――それは、あなたの中にも他の人が聞きたがるような知恵や工夫や体験があるということです。これを、あるカテゴリに特定してたくさん蓄積すれば、立派な本になります。

例えば、ビジネスマンなら営業トーク、スケジュールの管理方法、手帳のつけ方など。
店舗経営者なら、スタッフ教育、顧客獲得、リピーター確保など。
企業経営者なら、経営戦略、人脈づくり、人材育成など。
その他、人が聞きたがることで、あなたが教えられることが、いろいろあるはずです。

これは、編集者の方から聞いた話ですが、出版各社は「著書にするネタを持った一般人」を血眼になって探しているそうです。

インターネットやブログが普及している今の日本では、一般人が有益な情報を発信することを、受け手側も理解しているし慣れているので、有名人であるかどうかは大した問題ではないのです。それよりも、情報のジャンルや質が重要だということです。

今回のセミナーでは、こうした「著者候補」を探している編集者の目に留まるにはどうすればいいか、ということを私自身の体験に加えて、編集者に聞いた著者探しのポイントを交えて、お話しします。

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